REVIEW

doves/the last broadcast
ダヴズのセカンドアルバム。出だしM−1は前作の雰囲気を受け継いだ感じがありますが、M−2からは前作を超えた、リスナーをがっちりとつかむことが可能なメロディーが出現します。圧巻はM-3、9。美しいメロディーと軽やかなリズムは叙情系から大きく前進したような、アグレッシブなギターバンドへと変貌を遂げたといえるのではないしょうか。
フジロック02では、さすがのパフォーマンスだったらしいですね。ライブで見るとよりアグレッシブに、がつんとメロディーが入ってきそうなので非常に見てみたいです。陰と陽、この二つをうまくバランスをとった完成度の高いアルバムだと思います。

関連:coldplay,haven,neworder,britishseapower,hopeofthestates
e/a man called (E)
知ってる人は意外に多く、そのほとんどがけっこう気に入っているにまちがいないだろうイールズのフロントマン、「イー」の92年発表デビューアルバムです。つまりイールズができる前の作品です。イールズの原点となる作品には違いないですが、イールズが好きな人みんな気に入るものではないかもしれません。だって92年の作品なので、去年の新作やそのあたりからの人には古臭く聴こえる音だと思ってしまうからです。イールズのファーストの時にある、控えめな美しさはこの時にはちょっと王道的な、大げさな感じもあって、80年代っぽいっておもってしまうんですが、それを差し引いても曲はやっぱりすごいいいんです。つまりはイールズより聴きやすくはあるんですが、すでにイールズを知ってしまった人にとってはちょっと物足りない、といった感じはあるもののやっぱり共通項はありそう、といった感じです。個人的には歌詞がよくてしょうがなかったです。
「僕は時々一人ぼっちだと実感することがある。そしてそのほとんどの時間は僕一人なんだ。でも平気だよ。あきらめるな。ここまできたんだ(M-10「Eの歌」)」などほかにも佳曲多いです。

関連:eels,beachboys
fantastic plastic machine/sound concierge series(#403)
クラブシーンでは有名、っていうかよく聞く人、田中知之のミックスCD。今回は#403を紹介します。実は#401、402は持ってなくて、#403、404を先に買ってみました。そして、ハイな#404よりラウンジな#403をよく聴いています。noonday undergroundに似た雰囲気はありますけど、ほんとにこっちはモータウンって感じ。知ってるアーティストはspecials,everything but the girl(全然モータウンじゃないけど)ぐらいしか入っていませんけど、聴きやすいし、何回でも繰り返し聴ける軽さを持っている作品だと思います。
ラウンジとかボサノヴァってなんかロックから遠い印象を持ちやすそうですけど、60’sぐらいのロックやブルースを聴く人は、落ち着けるBGMとして持っていても大丈夫ですよ多分。

関連:freetempo,mondogrosso,池田正典(mansfield)
fountains of wayne/utopia parkway
さわやかなメロディー、ポップなメロディー、キャッチーなメロディー、どの言い方が一番しっくりくるかわかりませんけど、全部当てはまることができるほどメロディーが聴きやすいファウンテンズオブウェインのセカンドアルバム。ジャンル的には「パワーポップ」らしいですけど、ハードすぎず控えめすぎないギターの感じがそうゆう感じかもしれません。ただメロディーだけがキャッチーで即効性だけはありそうな他のUSバンドとは違う、普遍的なものがこのバンドにはあるような気がします。「王道」って感じになるんでしょうか。M−2、6、8、13好きです。

関連:okgo,matthewsweet,waxwings,watashiwa,bigstar
godspeed you black emperor!/lift yr. skinny fists like antennas to heaven!
カナダ、モントリオールのゴッドスピードユーブラックエンペラー!のセカンドアルバムです。2枚組みで全四曲、一曲の収録時間20分前後という、枠外を突き進んでいるインストルメンタル・ロックバンドです。モグワイ好む人と、シガーロスを好む人はかなり気に入る可能性高いです。両方好きな人は聴いていないと損します。一曲が長いとかはほんとに問題ではなく、40分前後の曲が一曲入っているアルバムが2枚と考えたほうがいいです。単調な構成ではなく、静かな流れのある曲調から激しいギターへの変貌が時間の流れとともに繰り返され、美しい情景が見え隠れするときもあれば、混沌とした葛藤が感じるようなところもあり、聴きごたえ十分です。なにかに思い悩んでいる人やどうしようもない不安、絶望が心のどこかにある人にとって、この音楽は癒されるものなのか、どん底に突き落とすものなのかわかりません。でも、この音楽は人が作り出したものである以上、人のそういった感情が見えてしまうのは当然だと思います。不安を一掃する必要はなく、この世界で不安を一緒に引き連れて歩いていくためのアルバムといえるかもしれません、大げさに言うと。

関連:sigurros,mogwai,tortoise
junior senior/d-d-don't stop the beat
デンマーク出身、男二人のユニット、ジュニアシニアのデビューアルバムです。このアルバム全部がダンスパーティーを収録したような、踊れる曲やテンションの上がる曲が満載です。彼らを知ったのは雑誌「スヌーザー」で紹介されているのを見たときです。まだそのときは日本盤も出されていなくて、期待の新人としての扱いだったのですが、なんかインパクトもあって、無性に聴きたくなってしまって、輸入盤の扱いが多い店で注文してしまいました。店の人もそのころはあんまり知らない感じでしたが、その後のブレイクは周知のとおりです。でも、ここまでほ褒めてなんなんですが、やっぱりちょっと一発屋の感じが否めないですよね。この次に出すアルバムがどれだけのインパクトを持って出てきてくれるのか、そこに期待したいです。同じ感じにするよりは、今度はちょっと渋いソウルなナンバーが入ってたりして、落ち着いた作風になってたら面白いと思います。M-2、3、8、9。

関連:beck,prince,jackson5,
music/welcome to the north
これが出た当初、リバティーンズとマンドディアオが同時期にあったので、金に余裕もなかったし、どれか1枚にしようと考えていました。結果、リバティーンズを選んだわけですが、中古で初回盤をたまたま発見してしまったので、結局買ってしまいました。3バンドの選考に落ちたのは、先行シングルがそんなに気に入らなかったからということと、リバティーンズの変な魅力に負けてしまって衝動買いしてしまったからです。
そして買って聴いてみると思ったよりよかったです。USでブレイクするためにはUS寄りにしないといけないわけではないと思うのですが、だいぶさばけた雰囲気になってました。世界観が広がったとでもいうんでしょうか。曲も全然いい感じなんですけど、デビューアルバムを聴いたあとはこんなセカンドが出るとは思ってなかったと思います。いやでも、売れる売れないでいえば、売れる音楽ですね。単純にノレますし、ギターで踊れますし、すごい完成された感があって、いいです。個人的には、M−1、3、4で十分です。
ジャケットのぐるぐるももうちょっと続けてほしかったですけど、これならジャケットもこっちのほうがしっくりくると思ってしまいました。全然いいアルバムなんですけどね。

関連:theordinaryboys,hole,stoneroses

    2004上半期BEST10!!

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