|
|
圧倒的なボーカルで、ロック史に残った作品。親子ともにいい作品を残したバックリー親子ですが、この作品はロックというより、ワールドミュージック的な音楽の幅を感じ取れました。最初に聴いたときはM−2の良さが際立ってるなと思ったんですけど、忘れたころに何回も聴いてみると、どの曲も(矛盾した表現ですけど)繊細で力強いといった雰囲気を持っていて、やっぱり名盤なんだと気づきます。声っていうのは楽器の一つであるとよく言われますが、英語がわからない俺にどんな気持ちで歌っているのか、何を言っているのかすごく気になって、大学時代にトーイックを受ける動機を与えた作品でもあります。そういう意味で、楽器以上のものを格を持った声だと、個人的に思ってます。90年代前半はグランジの印象が強かったというのもあって、この人がかなり異質に見えました、いい意味で。
今年10月に出たレガシーエディションは未発表曲、ライブ曲、プロモーションビデオも収録の充実の内容です。 |
|
|
|
|
|
90年代前半に活躍したUSロック・ポップバンドのラストオリジナルアルバム。通称「箱庭ロック」といわれていたこのバンドのポップさはどうなんでしょう。人に言われてはじめて気づいたんですけど、声とかコーラスの感じとかクイーンに似てます。確かに似てるところはあるけど、クイーンは完全に箱庭からは飛び出してるでしょ。このちょっと切ないポップさはジェリーフィッシュならではだと思います。なんか泣きそうになりそうな、ほんとに幸せな人には作れない雰囲気の曲たちがあふれてます。閉じ込められた世界から出してくれ的な欲望がやさしいメロディーになって出てきてます。箱庭とはよく言ったもんですね。
しかし、この雰囲気はすべて行き過ぎたポップなアレンジの賜物でしょうか。このアルバムが名盤として今だに残っていることにはそれだけでは説明できない、確かな土壌がある気がします。
M-2は名曲です。一聴の価値あり。 |
|
|
|
|
|
キンクスの66年発表サードアルバムです。初期のサウンドから変化が見られ始めた作風に仕上がっているようです。つまり、レイ・デイビスが主導権を握り始めたということらしいです。もちろん、どの作品もほんと好きですが、ポップさとブリティッシュビートとアコースティックのやさしい雰囲気が混じった、初期っぽさにすこしいろんなアレンジが増えてきた感じが、いいです。もともとコンセプトアルバムにする予定だったそうですが、レコード会社に拒否されて、あきらめたそうです。コンセプトアルバムを作っていたら「サージェントペパーズ〜」より早くに発表されていたということで、歴史もあらゆることがこういったことが入り混じった上で出来上がっているんだと思いました。おもしろいですよね。このアルバムは、単純にイギリスらしいポップさが楽しめて軽く聴けるんじゃないでしょうか。キンクスの、中期への発展の途上を模索する過程にあると位置付けされているアルバムではありますが、中途半端といったものではないと思います。M-1、3、4、5、10、11、13が特に好きです。 |
|
|
|
|
|
このアルバム一枚でどこかにいってしまったラーズの傑作アルバムです。ビートルズがギターポップに目覚めたような、ひたすらレトロでイギリス的なアルバムです。60年代のビートルズ周辺の音が好きな人やギターポップが好きな人には受け入れやすいと思いますが、だからといって好き嫌いは分かれそうです。同時期のギターポップ名盤にはトラッシュキャンシナトラズがありますし、ビートルズが好きな人はそこ一筋って人もいるでしょうから。つまり、90年代にやったということはちょっと微妙みたいなとこはありそうです。しかし、そんなことはどうでもよくって、単純にいいメロディーがそこにあって、自分が気に入ればそれでいいんです。ダミ声もいい味を加えてます。たまにサイケな瞬間も感じます。俺は非常に気に入りました。ただリヴァプール周辺の音をどうしても感じずにはいられない人には必須な一枚。M-3、5、7、8お勧めです。 |
|
|
|
|
|
72年発表のニックドレイクのラストアルバムです。72年なんですが、古さがまったく感じられません。ただのフォークのアルバムだと思ったら痛い目みそうな、静かな情景の中に見える歯がゆさみたいな、殺伐とまではいきませんが一見暖かく鳴りそうなアコースティックがこんなに殺風景な表情をみせるとは・・といったようなアルバムです。今ではよくある枯れた作風は彼が確立したんでしょうか。というか「枯れた」とはそもそもどういうことでしょうか。木の葉が一枚も残っていない、生命力が薄れている、薄暗い、などマイナスなイメージが強くありますが、このアルバムからはそれ以上の、地球にはもう俺しかいなくなって、どうしようもなくなったような、はがゆさもあるような気がします。そしてそこから漏れる美しさをリスナーは見つけ出して、叙情的な感情を覚えることも間違いないでしょう。基本、全曲好きです。 |
|
|
|
|
|
パティ・スミスのデビューアルバムです。もともと詩人として活動していて、その文学性でもってニューヨーク・パンクの一時代を築いた人って感じです。パンクという音楽フォーマットは時代的なものがありそうですが、時には語るように歌い、時にはハードに歌って、自分の芸術性を爆発させて、パンクにセンスを取り入れた感じはすごいです。パンク、パンクって言ってますが、このアルバム自体は落ち着いた印象の曲も非常に多く、ピアノの弾き語り調に始まるものもあり、美しい旋律も特徴的です。
USではほとんど好きなバンドはニューヨークです。特に70、80年代は。芸術が集まるのはやっぱりニューヨークなんでしょうか。でもUSは最近のバンドになると場所はあんまり関係なくなってきてないですか。関係してたほうが説明しやすいですが。場所に関係なく音楽的影響はその音楽を聞いて勝手に解釈したりして想像にお任せされたほうがこちらとしては先入観がなくなっていいかもしれないですね。でも、聴いたあとは気になりますね笑。脱線しましたが、M-1,9はカバーで、全体的にどの曲も好きです。 |
|
|
|
stereophonics/performance and cocktails |
|
|
スリーミニッツ泥臭ブリティッシュロックンロールのステレオフォニックスのセカンドアルバムです。声といい、ギターといい、直球ぶっち抜き。UKロックといえば、オアシスかレディオヘッドか、はたまた彼らか。しかし彼らは気持ちいいミディアムバラードもお得意であり、それが日本でも売れる要因かもしれません。このアルバムは、前作、サードなどより、雰囲気がカラっとしてて個人的に一番です。普遍的というか。まあ、ある意味一番普通ともいえるかもしれませんが。でも、「ステレオフォニックスってどんなバンド?」って聞いてきた人に勧めるべきアルバムはどれだといえば、これじゃないでしょうか。どっから切り取ってもステレオフォニックスみたいな。捨て曲というようなものは入ってないですし。
ボーカル・ケリーの声は渋いとはいえ、鳴ってる音は全然渋くないです。去年出た最新作は結構渋かったりしてますが。 |
|
|